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書籍・雑誌

2019年4月29日 (月)

砂の器(松本清張著)を改めて読んで

995
(作中にも出てくる木次線 撮影した出雲横田は…以下自粛 2018年10月撮影)

砂の器がフジテレビ開局60周年記念ドラマとして、2019年3月28日放送されていたことを知らずに、同日にツタヤで1974年版の「砂の器」のDVDを借りて、見ていました。

フジテレビのドラマは見ていないので、何とも言えないのですが、小説をもう一回読み直してみて、その感想を書こうかと思います。読んだ人も多いと思いますが、未読の人は読んでもらいたいです。

読んでみて、松本清張の小説は次へ次へと読みたくなってドンドン読めてしまう小説だと改めて思いました。読むのが、苦にならないという感じです。

何故東北弁の「カメダ」が、島根県の出雲地方に繋がっていくかや、犯人の捜査かく乱を狙った工作、ふとしたきっかけから証拠品が見つかったり、音楽を使った仕掛けや戦争のドサクサに紛れての戸籍操作など、次のページをめくりたくなる伏線が張ってあります。
(一部、矛盾したところがあるかもしれませんが、そこにめくじらを立ててもつまらないので「小説だから」と割り切ってます)

しかし内容は、国鉄蒲田操車場での殺人事件に始まり、次々に事件の関係者が自殺や変死をしていくということに加えて、ハンセン病への激しい差別や村八分といった、日本社会の恥ずべき歴史が犯人の犯行動機に大きく影響するなど重いものです。
「ハンセン病」を「業病」(※2)「不治の病」と表現する箇所があり、まだ差別意識が強い時代(※1)がそう書かしたものであると思いました。

また、ヌーボーグループという若手文化人集団が出てくるのですが、既成概念の破壊など崇高な理想を掲げているのは、実際は「出世欲」や「身分主義」に支配されて、犯罪を犯してしまうというのは、連載当時の若者に対する著者の警告だったのかもしれないと、思えてしまいます。

※1)砂の器は1960年5月17日~1961年4月20日に読売新聞夕刊で連載されていました。1953年(昭和28年)「らい予防法」が成立したことを考えれば、差別意識が強い時代と言えると考えられます。

※2)「「業病」・・・(前世の悪事の結果と考えられていた)難病」 新明解国語辞典第7版(三省堂)より

2019年3月28日 (木)

八九六四 天安門事件は再び起きるか 安田峰俊著 を読んだ 感想とまとめ

香車の隊列に歩が立ちはだかる。
※↑写真は、本文とは多分関係ありません。

私自身は、著者と同年代のため、リアルタイムの「六四天安門事件」(以下、天安門事件)は、小学校低学年だったため、装甲車が走り回って、大変なことが起きているぐらいの認識でした。ただ、天安門事件を知るために、何か良い本はないかと思い、この本にたどり着きました。

1989年6月4日に起きた、「天安門事件」の中心メンバー、参加した人、そのときは関わらなかったが、後に民主化運動に関わりを持った人、香港人、当時中国に留学していた日本人など、様々な立場な人の「天安門事件」への想い、天安門事件から取材当時までの人生、20年以上経った現在での事件への考えを取材してまとめた本になります。

中国共産党を批判するでも、賞賛するわけでも無く、各人から聞き出せた想い・考えが数ページ~20ページぐらいにまとめられており、その内容は、なかなか生々しいです。

大まかに内容まとめておくと、天安門広場に集まった学生の多くは、「崇高な」思想を掲げた訳ではなく、娯楽の少ない当時の中国でお祭りみたいになっていたり、せいぜい「民主は何か分からないけど、良くなればいいや」が大半だった模様、庶民も「なんだか分からないけど、生活が良くなればいいや」みたいなノリで学生を支援していたりしていたり、果てには警察系大学(体制側)の学生が、個人的な立場で学生側デモに参加していたりと、当初はとてものんびりしていた雰囲気だったとのこと。

ただ、中国共産党内部では、学生に理解を示す穏健派が失脚して、強硬派が排除に向けて、動き出したりしていて、学生側も地方からの参加者などで、統制が取れない事態になっていったようです。
それで、デモ隊の排除をしようとして「天安門事件」となったとしているのですが、「死傷者が多数出る」ことを見越してか、病院の敷地に事件前に「冷蔵コンテナ」が設置されたりしていたり、事件後の病院や街中の惨状が、相当生々しい証言が載っています。

事件後、取材時までの各人の人生は、亡命した中心メンバーや、民主化運動には見切りをつけてビジネスで成功した人、まだ民主化を秘かに期待している人、逆にインターネットの出現で民主化を望むの思想になった人など様々です。

一方、香港では、天安門事件の風化が進む一方で、過激な香港独立派が一定の支持を集める一方、従来からの民主派が支持低下に陥っていたり、更には、中国共産党の「御用団体」が入り込み混沌としている現状がまとめられていました。

台湾では、ヒマワリ学運で、天安門事件の中心メンバーであった、王丹氏、ウアルカイシ氏が、自らの天安門事件での失敗での経験知を学生メンバーにアドバイスしていたことが、馬英九政権で対中に傾斜しつつあった台湾を、改めて距離を置くようになったことは、中国共産党へのしっぺ返しになったと、まとめられています。

作者の後書きに、「監視が強化された現在では、取材することは難しく、監視が本格的に強化される寸前の2015年までに、取材を終えたのは、滑り込みギリギリセーフだった」との旨は、現在の中国共産党が未だに1989年の天安門事件から変わっていない本質的な部分だと感じました。

2019年3月 4日 (月)

「システム開発のための見積りのすべてが分かる本」を読んでみた、感想・書評

システム開発の見積りを仕事上しますが、会社では、過去の開発経験を基にした、積み上げ法でかつ、上司と営業の横槍が入って、顧客希望の納期に合わせた、見積り、スケジュールを組ますという、何とも時代遅れな、見積り方法で、行っています。

それで、どうにかならないものかと思い、「システム開発のための見積りのすべてが分かる本」(佐藤 大輔、畑中 貴之、渡辺 一夫著 ISBN 978-4-5649-1)を読みました。

内容としては下記の内容がまとめられています。

  • 見積りを作る手順、注意点
  • スケジュールの組み方
  • 受注活動時の見積方法
  • 工数・工期の妥当性を計る指標
  • ファンクションポイント法の見積
  • ユースケースポイント法の見積
  • クラウド時代の見積技術要素
  • 実例・実習

特に、ファンクションポイント法や、ユースケースポイント法の算出方法についての説明は、現在の技術動向(Webシステム)に合わせて読み替えて書かれていたのが、よかったです。

また、コラムが実務に則したことが書いてあり、見積りの話からは離れる部分もありましたが、これはこれで役に立ちます。

私は、既に見積りを行う立場だから、あまり思わなかったと思いますが、 「見積りを作る手順、注意点」や「スケジュールの組み方」については、まだ見積りを作ったない人には、分かりやすいかと思います。

ファンクションポイント法が、新規開発だけだったのと、クラウド時代の見積技術要素の説明が、やや駆け足での説明だったのが、やや残念でしたが、全体としては満足です。

2019年2月10日 (日)

D・カーネギー「道は開ける」の感想(書評)とまとめ

D・カーネギー「人を動かす」の創元社の文庫版(ISBN978-4-422-10099-9)を読み終わりました。

病気、仕事、家庭等、様々な面で、悩みを抱えるものですが、そのような悩みに対して、どのように対処したかをまとめたものになっています。

私自身、今大きな悩みを仕事、病気、家庭で大きな悩みを抱えている状態ですが、読んでみると気持ちが楽になりました。

いくつか、心がけたいことや、印象に残ったものを要約してまとめますが、人それぞれ悩みは違いますので、読んでみて自分の悩みにあったものを探してみたらよいかと思います。

  1. 過去や未来に思い悩まず、今日を精一杯に生きる。
  2. 悩みを解決する方法は、「1.最悪の事態を想定する」「2.場合によっては、最悪の事態を受け入れる」「落ち着いて最悪の事態を好転するように努力する」
  3. 悩みから精神病になり、やがて身体的な病気も引き起こす。(病は気から)
  4. 悩みを抱えた場合、悩みを忘れるように何かに没頭する
  5. 小事にこだわるには、人生はあまりにも短い
  6. 不安に思うことの起こりえる確率を計算すると、ほとんど起こらないものだ
  7. 行動と感情は同時に働くものだから、行動を楽しいように振舞えば、楽しくなる
  8. 仕返しをしようとしても、相手を傷つけるよりも、自分が傷つく。嫌いな人のことなど考えない方が良い。(人を呪わば穴二つ)
  9. 人からの感謝は求めず、与える喜びを持つようにする
  10. 他人の真似をせず、自己発見をして、自己に徹する
  11. 祈ることで、悩みを具体的にまとめることができる。神には、いつでも悩みを訴えることができる。祈るということは、積極的に行動する第一歩になる。(神と書いていますが、キリストでも、アラーでも、仏でも、八百万の神でも何でも良いとのこと、また信仰を強制するものでもないです)

2019年1月29日 (火)

早野龍五・糸井重里著「知ろうとすること」の感想・書評と、早野・宮崎氏の論文について

早野・宮崎氏の論文で、解析プログラムミスで生涯の被ばく量を1/3で算出されていた問題と、研究に不同意の住民のデータが含まれていた問題で、早野龍五東京大学名誉教授が批判されていることをWeb上で見かけたので、「知ろうとすること」(早野龍五・糸井重里著 ISBN 978-4-10-1183118-3)を改めて、読んでみました。

まず、読み直してみた感想(書評)ですが、早野氏・糸井氏の対話形式で進み、物理学的な説明も分かりやすい文章で、書かれていますので、文系の人(高校・大学等で物理を勉強しなかった・苦手だった人)でも、分かりやすいかと思います。

内容としては、主に

  1. 福島第一原発事故後の、震災後の情報発信
  2. 福島県での測定結果、不安を取り除くために行ってきたこと
  3. 分かりにくい「放射性物質や放射線」についての説明
  4. 福島県立福島高校に通う3人をヨーロッパの高校生が集まる研究発表会で「福島第一原発事故の影響に関する調査結果」を発表させたこと

などが、書かれています。

今でも、「福島県」の産物に不安を抱えている方は、一回読んでみたらいかがでしょうか。

なお、早野氏を「御用学者」とレッテルを張る方々がいますが、早野氏は福島第一原発事故を、過小評価したりしていませんし、東京電力等の対応を批判しています。本文から引用しますと、早野氏はこう書いています。

『「内部被ばくが軽かったということ」は、ぼくも心から良かったと思っているけれど、「もともと起こってしまった事故」は、全然OKじゃない、ということ。こんなことは、想定外の規模であろうが未曾有の災害であろうが、そもそも絶対に起こしてはいけない。防ぐチャンスはいろいろあったにもかかわらず、それを無視してきて、こんなことになってしまった。』(P21)

早野・宮崎氏の論文の問題についてですが、要点は下記の3つかと思います。

  1. 解析プログラムミスで生涯の被ばく量を1/3で算出していた
  2. 1のミスを訂正して、年間被ばく量を計算しなおしても、1mSv超えないレベルになる
  3. 研究に不同意の住民のデータが使われていた

生涯被ばく量を1/3で計算していたのは、プログラムのミスと思われるので、これは、訂正すれば良いかと思います。また、訂正後でも「1mSv超えないレベルになる」という結果が大事かと思います。

「プログラムを間違えるとは何事か」のようなことを仰る方は、是非、「人手不足が深刻なIT業界に入っていただき、プログラマーになってもらいたいです」。

一番の問題は、「不同意の住民のデータ」が使われていたことだと思います。

2019年1月23日 (水)

D・カーネギー「人を動かす」の感想(書評)とまとめ

D・カーネギー「人を動かす」の創元社の文庫版(ISBN978-4-422-10098-2)を読み終わりました。

まとめると、相手に関心を持ち、状態を思いやり、具体的に良いところを誉めなければ人との信頼関係を築くことはできないとしています。
これらのことは、当然と思われるでありますが、大人になると「俺は運動部出身だから、厳しいぞ」と部下にパワハラまがいの指導をして、精神病に追いやる上司がいたりする状況を考えると、できている人は少ないのでは、ないでしょうか?
そのことについて、「人を動かす三原則」、「人に好かれる6原則」、「人を説得する12原則」、「人変える9原則」として、良好な人間関係の構築について、実例を交えながら原則が書かれています。

その「運動部出身だから」という、よく分からない自負をもって、部下に接している「スーツを着た中学校の運動部の先輩方」(もといパワハラ上司)もこの著書を読んで、少しは悔い改めて頂きたいと思いますが、彼らは読むこと無さそうです。(こういう人は大概、本読んでいるところとか、見たことないし)

「運動部出身者」を全て悪く言う気はございません。ただ、社会に出ても運動部感覚が抜けていない人を批判したいだけですので。

読んでみて、各原則を自分の言葉でまとめて(要約して)みました。

人を動かす三原則

  1. 人は自分自身を正しいと思っており、批判されれば、より正当化しようとする。
    批判をせずに、相手を理解して、どうしてそのような行動をしたのか、考えてみる方が良い。
  2. 人の欲求の中で「自己の重要感」は、なかなか満たされない。これを満たすためには、良いことに対して、お世辞ではなく率直かつ誠実な評価をしなければならない。
  3. 人はただ言われただけでは、行動してくれない。
    その人の立場に立って考えて、相手の不利にならないようにすれば、その人の心に強い欲求起こさせて、行動してくれる。

人に好かれる6原則

  1. 人は自分自身で関心を持っているが、良い人間関係を築くためには、相手に関心を寄せることである。こうすると人は「重要感」を満たされることになり、良い関係が築ける。
  2. 良い関係を築けるためには、笑顔が重要である。電話をするときも、笑顔で電話をすると、相手にその気持ちが伝わる。
  3. 人の名前を覚えて、その人を知り、名前で呼ぶことで、人は重要感を感じる。
  4. 人は自分のことを知って欲しいために話したがる。これを聞くことによっって、欲求が満たされる。
  5. 会話する場合、話相手の関心がある話題ですると、話が進みやすくなる。
  6. 人は誉められると、話を聞いてくれるようになる。

人を説得する12原則

  1. 議論は、行わず、避けてしまうことが関係を良好に保てる。
  2. 誤りを指摘しないで、「私が間違えているかもしれないので、事実を確認しましょう」と話をすると、関係は悪化しない。
  3. 自分の誤りについては、すみやかに誤りを認めてしまう。
  4. 自分の意見を押しつけようとせず、穏やかな、打ち解けた態度を示すことで、敵対する相手を見方につけることができる。
  5. 相手に「ノー」と言わせると、引っ込めることができず、固執する。「イエス」と答えられるようにすると、「イエス」と言ってくれる。
  6. 相手にしゃべらすことで、重要感が満たされる。
  7. 相手に案を思いつかせて、それに沿って行う方が、意見が通りやすい。
  8. 相手の立場に立って、物事を考えて行動すると、相手は納得してくれる。
  9. 相手の考えや希望に対して、同情を寄せられると人は満足する。
  10. 人は美しい心情に訴えられると、こちらの要求に応えてくれる。
  11. 人と話すときは、結論を出しやすいように、回答しやすいような状況を作る。
  12. ゲームをするかのように、対抗意識を刺激すると、人は勝ちたいと努力する。

人を変える9原則

  1. まず誉めてから、話をすると、直してもらいたいことを素直に受け入れてくれる。
  2. 「しかし」などの否定の言葉を使わずに、遠回しに注意する。
  3. 自分の失敗談を話してから、相手に注意する。
  4. 命令せず、意見を求めるように聞いて自発的にやらせるようにする。
  5. 相手の面子を潰さないようにする。(顔を立てる)
  6. 僅かなことでも、惜しみなく誉めると、それで人の隠れた能力を開花させるかもしれない。
  7. 期待をかけられると人は、それに応えられるように努力する。
  8. 長所は誉め、短所はあまり言わず、能力に自信を持たせる。
  9. 喜んで協力させる。

2019年1月17日 (木)

「ライト、ついてますか―問題発見の人間学」の感想・書評

「ライト、ついてますか―問題発見の人間学」ドナルド・C・ゴース (著)  G.M.ワインバーグ (著) 木村 泉 (翻訳) (共立出版 ISBN 978-4-320-02368-0)を久々に読んでみました。

問題の解が書いてあるのではなく、「問題の発見」について書いてある書籍になります。

コンサルタントやシステムエンジニア(SE)のような、「問題を発見」して「解決策」を探すような職種の人は、読む必要があると言われている本です。

(どのような職種の人も「問題を発見して、解決策を探す」ということはしますので、読む価値は十分にあるかと思います。)

問題の発見についても、たとえ話(高層ビルのエレベータが遅い問題やトンネルでのヘッドライト点灯の注意看板など)から教訓を結びつけるという書き方をしていて、分かりやすいです。やや、文章がまわりくどく、分かりづらい「問題」があり、何度か読むと良いのかと思います。

2019年1月10日 (木)

元コンサルタントの業界暴露本(?)

元経営コンサルタントの業界暴露本(?)、「申し訳ない、御社を潰したのは私です コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」(カレン・フェラン著 神崎 朗子訳 ISBN978-4-479-79433-2)を読みました。

著者は、タイトルの通り「御社を潰した」(分かっている範囲で)、では無いらしいのですが、コンサルティング業界が提案する、業務改善、人事評価、リーダーシップ開発が、逆に業績悪化を招く理由を著者の経験から考察しているような内容です。

アメリカ人らしく、自分を卑下しないポジティブさは、日本人的な感性を持つ私からは、違和感を感じるところですが、「これだらかアメリカ人は」とは言わず異文化なので、尊重しましょう。

私は、業務システムの設計・開発・運用を生業にしておりますので、コンサルティングとは、やや違う分野ですが、参考になることも多々記されておりました。

「これは」と思ったところの要約と感想(書評)を書きました。

業務プロセス改善

  1. ある会社で、成功した方法が、他社でも成功する「ベストプラクティス」かということは無い。会社ごとに問題や条件も違うので、それぞれの会社の関係者(経営層も従業員も巻き込んで)の話を聞いて、何が問題かを探すことが重要。
  2. 業務プロセスの問題は、部門間の相互不信、目標対立、拙速に物事を進めて中途半端になる、開発中のものを他部門に見せないといずれも、社内の風通しの悪さが影響している。風通しを良くすれば、改善することが多い。

感想)システム開発でも、現行の業務プロセスをそのままに、パッケージソフトを入れただけでは、改善しないし、逆に悪化することもあるので、似たような話ではないかと思います。「システムを売る立場だと」、顧客と話して、「システム改善は要らない」となると、上司に怒られて評価されないのは、辛いところです。

数値目標

  1. 数値目標は、評価される数値を達成するために、数値にならない部分をないがしろにして、業績悪化や顧客離れなどの問題を起こす。
  2. 会計や財務報告の数値は、いくらでも細工ができてしまう。

感想)これも、「あるなーと」いう感じです。「売上」を重視するあまり、既存客を蔑ろにする営業や、出来もしていないシステムを「無理矢理検収」をあげてしまう開発、あれこれ会計上の数字を工作する部門長。

業績管理システム

  1. 客観的かつ平等に、部下を評価することは、ハロー効果やネガティブハロー効果などでできない。
  2. 人事考課するために、評価者は時間をとられてしまう。
  3. 上司と部下の人間関係が大事であり、会社の目標達成に向けて、どうすべきか、経営陣と従業員が一緒に考える方が良い。

感想)お得意さんの総務の人に聞いたら、コンサルタント会社に人事評価システムを作ってもらったら、上記のように、不平等な評価になってしまったり、評価に時間がかかってしまい、運用ができないという話を聞いたので、日本もアメリカも同じなんだと読んでみて思いました。

人材開発プログラム

  1. ダメなレッテルを貼られるとよけいにダメになる。
  2. 業績が悪いのは、能力よりも環境に依るところが大きい
  3. 人それぞれ長所があるので、それを生かそうとする必要がある

感想)以前上司からは「ダメなヤツ」というレッテルをどうやら貼られたようで、何をやっても怒られて、終いには精神疾患を患い人生めちゃくちゃにして頂きありがとうございます。
私は「ダメはダメ」なんですが、要件定義がいい加減なプロジェクトを外部設計から加入して、「進捗が悪い」と怒られても、条件が悪すぎます。

リーダーシップ開発

  1. 性格などはなく、やる気のある人が、リーダーとなるべき。
  2. リーダーシップ開発の教育は、リーダーになるためには役に立たないし、受けたくなる教育しか役に立たない。

感想)社内のこれに近い教育を受けましたが、あまり役にたちませんね。

コンサルタントの「使い方」

  1. 外部の人の意見を訊き、新たな視点で考えたい
  2. 考えることを丸投げするような使い方はしてはいけない

※最後の方にある、「私生活にコンサルタントのやることを当てはめる」は、視点がとても面白いです。

2019年1月 8日 (火)

「アメーバ経営」「京セラ悪の経営術」を読んでみて

京セラについて2冊の本を読みました。

一つは、京セラの創業者、稲盛和夫氏の「アメーバ経営」(ISBN 4-532-31295-7)であり、当然ながら稲盛氏の「理想の京セラ」がかかれています。

もう一冊は、京セラに中途入社して6年間勤務された瀧本忠夫氏の「京セラ悪の経営術 急成長企業の知られざる秘密」であり、こちらは「京セラで勤務した実体験や内部で聞いた、著者が感じた生の京セラ」がかかれております。1999年発行で永らく絶版となっており(一部では京セラの圧力?なんて噂も)ましたが、Book Liveで電子書籍として配信されていたので、こちらで購入しました。

稲盛氏の「アメーバ経営」について概要と感想(書評)です。

  1. 採算がとれる最小単位のグループをアメーバに分けて、アメーバのリーダーが利益を上げられるように、売り上げを最大にして、経費を最小にするように努力して、時間当たり採算を高める。
    アメーバ間のやりとりも市場と同じように利益を乗せてやりとりをする。
  2. また、「大家族主義」「全従業員が生き甲斐や達成感をもって働く」という理想を掲げている。
  3. 営業部門の利益は、売り上げの10%を手数料としており、在庫は営業部門の責任で負担する。

1についての感想)
アメーバ間で、市場と同じように売買を行うということは、双方で利益相反が起こるかと思いますが、これについては稲盛氏は「リーダーは公正な審判となるべき」と記しており、理想論過ぎないかと思いました。

また、「時間当たり採算」が、有給休暇が取れない、休み時間に次の仕事の準備をするなどの噂があるが、これが原因かなと思いました。
有給休暇を取ると、労務費は増えても、仕事はしないので、採算が悪化する。休み時間に仕事の準備をすれば、採算が改善する。

2についての感想)
全体主義的になる危険性を危惧しました。

3についての感想)
営業が、在庫の責任を持つというのは、ただ注文を取ってくるだけで、採算などを考えない「無責任営業」が減るかと思います。

「京セラ悪の経営術 急成長企業の知られざる秘密」では、上記の悪い部分を証明するような記述が多いです。

著者は、「けちけち経営」と京セラの経営体制を批判しています。
「けちな例として」

  1. 休日出勤、残業を行いにくいような制度にしている
  2. 有給休暇を認めない
  3. 仕事で必要な書籍、筆記用具などもアメーバの「時間当たり採算」を悪化させるため、自費購入させるようにしてある
  4. 無給で、掃除、草むしりを始業時間前に行わせる
  5. 生産機器や計測機器などが古いが、精神論を振りかざして購入を極力しない

感想
1999年に発行された書籍のため、労働基準法違反に対する厳しさが増す昨今では、「完全にアウト」なこともありますが、企業風土が簡単に変わるとも思えないので、形を変えて「けちけちな事」をやっているかもしれません。

稲盛氏の理想とかけ離れた「京セラの実体」

  1. 補助金の不正利用やリコール隠しなどが行われていた
      (稲盛氏は、知っていたように推測されるように記されている)
  2. 稲盛氏の著書や、出資した映画のチケットの購入を強制して、社員のに支払った費用を回収している
  3. 稲盛氏を「2枚舌、3枚舌」と発言した幹部社員がいたらしい。

感想
稲盛氏をあたかも「聖人」のように考えている今日の風潮からすると、稲盛氏もこれらが本当なら「人間なんだな」と妙に安心しました。

京セラの技術力

  1. 生産機器や計測機器が古いため、不良品率が高い。
  2. 稲盛氏の精神主義の影響か、考えずに設計していることが多く、自分で設計した回路の不具合も解析できない
  3. 兼務が非常に多い

感想
目先の採算を考えるあまり、「安物買いの銭失い」のようなことが、起きているのかなと思いました。兼務が非常に多いというのは、「仕事に集中できなそう」と思いました。

稲盛氏を教祖とする、宗教団体が「京セラ」みたいに思えてしまいます。少なからず、経営者は、教祖に近いものがあるかと思いますので、それはいいのですが、批判ないしは、別の視点で考えることをしないと「信者」(社畜とも言う)になってしまうのかなと思いました。

少なくとも今の会社でも、「反主流派」の私では、「大家族主義」などには、ついていけなさそうですので、「京セラ及びその子会社」や、「稲盛塾」に入っている社長さんの会社には、転職しないようにしたいと思いました。

また、瀧本忠夫氏は、このような暴露本のような著作を世に出すことは、勇気がいることだったと思います。内容も、生々しさを感じる内容で、あっという間に読んでしました。絶版になっていたのが、とても残念と思いまいた。

※稲盛氏は、多数の著書を出しておりますので、印税も入ってくるでしょうし、京セラからの配当などなんかで相当儲かっていると思いますので、「アメーバ経営」は購入せず図書館で借りて読みました。

2018年12月 7日 (金)

「プロジェクト・マネージャーが知るべき97のこと」を読んでみて

システム開発のプロジェクトマネージャーは、こういう仕事なのでしょうか?
「無理なスケジュールを作らせて、遅れたら、後からメンバーを恫喝することなのでしょうか?」
「メンバーを毎日怒鳴りつけて、精神障害を発症させることなのでしょうか?」
「社内ではえらそうにしているのに、怖い客には何にも言わないものなのでしょうか?」
「無理なスケジュールを押し通して、開発終盤に連日徹夜させるものなのでしょうか?」

こういうプロジェクトマネージャーは少なからずいると思います。私自身こういうマネージャーの元で仕事して、精神的に参ってしまいました。

そうじゃないだろという思いで、下記の本を読みました。

「プロジェクト・マネージャーが知るべき97のこと」(発行:オライリージャパン 発売:オーム社 ISBN 978-4-87311-510-8)

世界各地の凄腕プロジェクトマネージャー達のエッセイをまとめた本ですが、様々な事例が2ページにまとめられて書かれており、「凄腕」と「上記のようなダメな」プロジェクトマネージャーの違いが良く分かりました。

内容も様々で、「人月の神話」から言われている通り、システム開発に「銀の弾丸」は無いのだなと改めて感じました。

その中で一部特に気になった内容を箇条書きで書きますと

・ユーザと開発者は早く話し合えるようにしないと、プロジェクト終盤に問題が露呈する。

・要件はシンプルにすること。シンプルなツリー構造をイメージして要件を書く。根にある要件がプロジェクト全体のシンプルな目的になる。

・要件の一部が特定できれば、プロとタイピングを開始して、ステークホルダーにテストしてもらい、顧客からフィードバックを得て、ギャップがあったら作り直す。

・優れた開発者と並の開発者では生産性が大きく異なる。並の開発者はプロジェクトの足を引っ張る。

・遅延プロジェクトへ人を投入するとコミュニケーション量が増えて、更に遅延する。

・作業中の割り込みは、仕事の効率を低下させる。思考の流れを取り戻すには、20分程度かかってしまう。

・顧客に計画させて、徐々に構築してテストを何度も繰り返す。

・シンプルなタスクを過度な自動化するようなアドバイスを顧客にしない。

・必要な労力、企業文化、プロジェクトのフォーカス、地理的に分散したチームなどの制約により、教科書通りの方法論に沿ったプロジェクトマネージメントはしない方が良い。

・プロジェクトスコープ記述書(目標と成果物、プロジェクト成否の評価が書かれたもの、会社によってはプロジェクト計画書とも言うものと思います)を絶えず確認すること。

・プロジェクトの方向性をある程度コントロールする。
・チームを官僚主義から守る。
・仕事環境を改善する方法を考える。
・チームがチームであることを意識させる。
・ワークライフバランスを尊重する。

・ミーティングでは、具体的なアジェンダの準備と本当に必要な出席者のみ出席させる。(開発者の時間をとらせない)

・参加者に事前に資料や文献などを準備させる。

・ミーティング中は、通信デバイスを使用しないようにポリシーを決める。(副業禁止)

・メンバーを尊重して、脇で個別に会話したり、割り込んださせない

・見積もりは一人でつくらず、チームメンバー全員で作る。こうすることで、チーム全体で見積もるため意見の共有ができる、コーディングを開始するときに思考プロセスを知っている、反発の機会を減らすなどの利点がある。

・プロジェクトは、チームメンバーの姿勢と適性にかかっている。メンバーをやる気にさせないといけない。

・定期的なミーティングは、コミュニケーションを減らしてしまう。プロジェクトマネージャー不在のときに開かれないミーティングは意味が無い。


書き綴ってみると、「ダメな」プロジェクトマネージャーは悉く、逆のことをやっていると気づきました。